完全データの作り方 入稿前に確認したい5つのポイント

みなさん、完全データの作り方ってご存じですか?
「数々の修正を繰り返して校了をもぎ取った!ようやく印刷会社さんへ入稿できる!」
といった、入稿前のタイミングで、実はチェックしておきたいポイントがあるんです。
そこで今回は、完全データの作り方と確認しておきたいチェックポイントについてお伝えしようと思います!
そもそも完全データとは?
完全データとは、印刷所で「出力するデータを修正をする必要がない、完成された印刷・加工が可能なデータ」を指します。
修正を重ね、ようやくお客さまから校了を頂いて、印刷所に入稿までした完全データ。
ですが「これじゃ印刷できません」と手元に戻ってくることもあり、最悪の場合、納期に間に合わなくなる・・なんてことも。
そんなことにならないために、早く・安く・キレイに「入稿先の規定に則った完全データ」をしっかり作成しておきたいものです。
では、入稿先の規定に則った完全データを作るためにチェックすべき5つのポイントを順に見ていきましょう。
ポイント1:入稿先の入稿ガイド(完全データの規定)を読む
「商業デザイナーとして働いてもう3年。印刷会社さんへ入稿するデータなんて簡単です!」
という慢心があったりしませんか?
実はこれが命取りになります。
一口に入稿データと言っても、入稿する先によっては意外と違いがあるものなのです。
ですので、まずは各印刷所の「データ作成について」「入稿ガイド」を読むことをおすすめします。
ポイント2:トンボと塗り足し範囲を確認する

トンボ(トリムマーク)とは?
印刷範囲や断裁ライン、加工の位置を示す目印です。
これがないと、断裁位置がわからないため、印刷もできません。
方法:仕上がりサイズの枠を選択「オブジェクト > トリムマーク」を選択で完了
塗り足し範囲が必要
データを作成する時に、仕上がりサイズより上下左右3mm多く絵柄を作成しておきます。
この塗り足しがないと、断裁がズレた場合に白(紙の色)が出てしまいます。
せっかくのデザインも残念なことになってしまうのでご注意を!
ポイント3:文字のアウトライン化を行う
ここで言うフォントとは、書体データを指します。
お客様が作成時に使用されたフォントが、印刷所のパソコンにもあるとは限りません。
同じフォントがない場合、データ上では勝手に他のフォントに置き換えられてしまいます。
(かっこいい太いゴシック体を選んで入稿していたのに、細くて綺麗な明朝体になってしまったりするのです・・)
そうしたトラブルを防ぐために、文字を図形化してしまう「文字のアウトライン化」が必要です。
方法 : ロックをすべて解除(⌘+2)し、すべてを選択(⌘+A)
→「書体 > 文字のアウトライン化」を選択
→「書式 > フォント検索」でフォント名が何も表示されなければ完了
ポイント4:画像の配置を確認する
作成時に画像データ(psd・jpeg・png・epsなど)を使用している場合は、このチェックが必ず必要です。
一般的に、画像の配置方法には「リンク形式」「埋め込み形式」の2つがあります。
リンク形式で画像配置する場合
方法1 :「ファイル > 配置」から画像を選択”「リンク」をチェック
方法2 : AIファイル上へ画像をドラッグして配置
入稿時には、必ず使用している画像データを、AIファイルと同じフォルダ内(同じ階層)に入れてください。
画像データが一緒に入っていない場合、画像が表示されず、印刷ができなくなってしまいます。
埋め込み形式で画像配置する場合
方法1 : 「ファイル > 配置」から画像を選択
→「リンク」のチェックをオフにしておく
方法2 : 画像を選択”リンクオプション(右上▼マーク)をクリック
→「画像を埋め込み」を選択
埋め込み配置の場合は、画像を同じフォルダに入れる必要がありません。安心ですね!
ただし、埋め込み配置はリンク配置に比べるとデータが重くなる傾向にありますのでご注意下さい!
ポイント5:最後に保存形式を確認
保存時には、使用しているアプリの保存形式(バージョン)を必ず確認して入稿しましょう。
例えば、印刷所によっては「Illustrator CS6」以上で保存されたデータは、確認・印刷できない場合があります。
完全データの作り方を改めて考えてみよう
以上、完全データを作る時に確認したい入稿前のチェックポイントでした!
印刷所への入稿後、スムーズに印刷するために、我々デザイナーも知識と経験を増やしていきたいものです。
さて次回も、完全データの作り方 Ver.2【正寸カットと変形カット】をお送り致します。
ソレを知っていたら「印刷所さんから愛されるデザイナー」になれるかも?
どうぞお楽しみに!