完全データの作り方 Ver.2【正寸カットと変形カット】

さて、いきなりですが、お店でよく見る販促パネルは種類も多様です。
商品の側でどーん!と目立ってお客様の目をひいたり、形状に動きがある販促物は、よりお客様の目をひきますよね。
弊社の工房では、実際に製作データを印刷所・工房へ入稿する時、こんなトラブルをよく目にします。
「カットのラインが鋭角過ぎてカットできない・・・」
「ギザギザカットの間隔が短すぎてカットしにくい・・・」
などなど。
データを作られている皆様、ご入稿作業をされている皆様、“正寸カット” と “変形カット” があるのをご存知でしょうか?
「そんなのもちろん知ってるよー!」
というあなた、入稿データもきちんとそれ専用のデータになっておりますか?
「再入稿お願い致します!」情報を元に、カットデータのチェックポイントをご紹介致します!
まずは基本『正寸(矩形)と変形』

「正寸カット」は、真っ直ぐな四角形を指します。(縦横比は関係ありません)
店舗でもよく見かける、細長いトップボードや、大きいポスターもそうです。
それに対し「変形カット」は、写真やロゴ、キャラクターなどのカタチに合わせて、自由にパネルをカットすることを指します。
最近よく街で見かける「顔出しパネル」なんかも、この変形カットを利用して制作されています。
SNS映えすると話題の「フォトプロップス」なんかも同様です。
弊社ではもちろん、パネルに限らず、変形タイプのポスターを制作することも可能ですよ!
変形カットの入稿ってどう違うの?
変形カットをご希望される場合は、必ず「カットデータ」というものが必要になってきます。
カットデータとは、データを “どういう形に切るのかを示す線” を指します。
(例えば、円のカットデータを付けて入稿すると、円形のパネルができということです)
このデータがないと、どういう形に切り抜けばいいのかわからないので、再入稿のご依頼が来ることになってしまいます・・。
そんな悲しいことにならない為にも、必ずカットデータは付けましょう!
Illustrator上でレイヤーを分けていただくと、制作側としてもさらに進めやすくなります。
このカットデータが完成後の実寸サイズになるので、これにトリムマークを付けてご入稿ください。
弊社のカット機がそれを読み取り、くねくねした形も綺麗に切り抜きます!
変形カットでもこれはNG!
変形カットの中でも、切り抜ける角度や複雑さによってカットが難しいものがあります。
NG.1:鋭角すぎるカット線
あまりにも鋭角すぎると、カット機で切り抜いた際に歯が曲がりきれず、食い込んで切り込み線ができてしまうことがあります。
この場合は、Illustratorの「ハサミツール」を用いて、鋭角部分のアンカーポイントを切り、カット線を分けておいてください。
そうすることで、歯の食い込み具合を抑えることができます。

(※図参照:赤線・青線でカット線が分割されています)
NG.2:半径7mm以内の曲線
半径7mm以内の曲線も同様に、滑らかにカットができず、ガタガタと歪んだり切り込みが入る原因になります。円等の曲線部分はできるだけ緩やかに、小さすぎないものを選んでいただけるとカット面も綺麗に仕上がります。

NG.3:パスが多すぎるカットデータ
形状は複雑ではないのに、Illustrator上で選択すると、必要以上のパス数で作られたカットデータがあります。カット機では、パスを頼りにデータを読み込み切っていくため、パスが多すぎるとデータ読み込みに時間がかかる上、断面もガタガタ・・・なんてことも起こりかねません。

不必要なパスはできるだけ削除して、入稿からカットまでスムーズに進行できるようにできれば、デザイナーの皆様も制作側の人も安心ですね♪
いかがでしたか?
簡単に思える「正寸カット」と「変形カット」ですが、入稿データでのポイントや切り抜ける制限も異なります。
入稿時のカットデータにも気をつけて、気持ちよく完成まで持っていけると、お互いの満足度も倍増ですね!
さて次回は、完全データの作り方 Ver.3 をお送り致します。
それを知っていれば「悩んだ時に頼れるデザイナー」になれるかも?
どうぞお楽しみに!